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「コンサルタントの仕事は、分析も資料作成もAIがどんどん巻き取っていくんじゃないか」。生成AIが市場調査やレポート作成を高速でこなす様子を見て、そう感じたことがある人は多いと思います。
結論から言うと、AI代替シリーズ第8回はコンサルタントです。厚生労働省の職業データベースを使って449職業のAI代替度を集計したところ、ITコンサルタントは449職業中190位、経営コンサルタントは355位でした。ちょうど449職業のほぼ中央からやや下位という、これまでのシリーズとは違う位置づけの結果です。今日はその内訳を具体的に見ていきます。
⏱ 先に結論
- ITコンサルタントは449職業中190位、経営コンサルタントは355位。449職業のほぼ中央からやや下位
- 判断責任は92と99。449職業の中でもトップクラスに高い。情報数理も82〜88と高いのに、最後まで残るのは「決める」部分
- 資料作成・分析はAIに渡せても、意思決定は残る。今の市場価値を無料で確かめる方法もある
※出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)/職業情報データベース ver.6.01.01。確率ではなく449職業内の相対順位です。
本記事の数字は、職業情報データベース(job tag)の自己申告調査を集計したものです。1職業あたり約20〜69人の回答が元になっており、客観的な精密測定ではありません。そのため「◯%の確率でなくなる」という言い方はできず、本記事では449職業内での相対的な順位だけを扱います。特定の職業がなくなると断定するものでもありません。
コンサルタントは449職業中190位・355位。この数字が測っているもの
結論から言うと、ITコンサルタントのAI代替度は449職業中190位、経営コンサルタントは355位でした。これまでのシリーズ(税理士・公認会計士32位/39位・薬剤師55位・Webデザイナー23位・プログラマー9位・一般事務7位・経理事務22位・施工管理305位/330位・介護400位/419位)と比べると、190位・355位という数字は上位でも下位でもない、ちょうど中間的な位置にあります。
この数字の元になっているのは、厚生労働省が運営する職業情報データベース(job tag ver.6.01.01)です。仕事の内容・仕事の状況・スキル・知識にまたがる149項目を、その職業に就いている人が自己申告した回答から算出しています。定型反復・情報数理・対人交渉・身体技能・判断責任という5つの軸に落とし込む方法は、これまでの記事と同じです。
ITコンサルタント・経営コンサルタントで特徴的なのは、どちらも「判断型」というタイプに分類され、判断・責任が92・99ときわめて高い点です。税理士・公認会計士の判断責任(32位・39位で高水準)よりもさらに高く、449職業全体で見てもトップクラスの水準です。情報・数理も82〜88と高いのに、AI代替度としては中位にとどまっているのは、この判断・責任の高さが押し下げているからです。次の章から、その中身を具体的に見ていきます。
ちなみに自分の職業のAI代替度が気になった方は、AI仕事診断で今すぐ確認できます。449職業全部の順位はAIに代替されやすい職業ランキングにまとめてあります。
5軸で見る「渡せる部分」と「残る部分」
結論から言うと、ITコンサルタント・経営コンサルタントは「情報・数理」と「判断・責任」がどちらも高く、「定型反復」と「身体・技能」が極端に低いという、はっきりしたコントラストがあります。
| 軸 | ITコンサルタント | 経営コンサルタント | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 🔁 定型反復 | 12 | 1 | 449職業の中でも最下位クラス。決まった手順の繰り返しはほぼない |
| 📊 情報・数理 | 88 | 82 | 449職業の中でもトップクラス。分析・資料作成が仕事の中心 |
| 🤝 対人・交渉 | 48 | 60 | 中位。クライアントとの折衝は経営コンサルタントの方がやや多い |
| 🔧 身体・技能 | 12 | 4 | 449職業の中でも最下位クラス。身体を直接使う工程はほぼない |
| ⚖️ 判断・責任 | 92 | 99 | 449職業の中でもトップクラス。特に経営コンサルタントはほぼ満点 |
※各軸は149項目をz化・合成し、449職業内でパーセンタイル化した値です(0〜100)。
注目してほしいのは、情報・数理と判断・責任がどちらも高いという組み合わせです。これまでのシリーズで見た「情報・数理が高い=AIに近い」という構図が、判断・責任の高さによって相殺され、結果として中位の順位に落ち着いています。次の章から、情報・数理と判断・責任、それぞれの中身を見ていきます。
情報数理88/82が示す「AIに渡せる部分」の中身
結論から言うと、情報・数理88〜82点の中身は「大量の情報を整理し、構造化して資料にまとめる」という作業です。
たとえば、市場調査データの収集と分析、競合他社との比較表の作成、業界動向をまとめたレポート、財務データからのシナリオ試算。どれも「情報を集めて整理し、わかりやすい形に変換する」という点で共通していて、生成AIが最も得意とする領域とそのまま重なります。
正直に言うと、僕自身も本業でクライアントの競合分析をする際にAIを使った結果、3時間で圧倒的なクオリティのものが仕上がり、上司に褒められた経験があります。市場調査や情報整理の部分は、AIに任せることで速度も精度も一気に上がる領域だと実感しています。ただし、そこで出てきた情報をどう解釈し、クライアントに何を提案するかは、また別の話です。
逆に言うと、AIが作った分析資料をそのままクライアントに提出するのは危険です。業界特有の文脈や、その企業固有の事情を踏まえずに出力された分析は、的外れな提案につながりかねません。情報整理はAIに任せても、解釈と提案の部分まで手放してはいけません。
判断責任92と99。コンサルタントに最後まで残る部分
結論から言うと、判断・責任が92・99ときわめて高いのは、コンサルタントの仕事の本質が「情報を集めること」ではなく「集めた情報から何を提案し、その責任を負うこと」だからです。
ITコンサルタントの仕事は、技術的な選択肢を洗い出したうえで、その企業の予算・人員・将来性を踏まえてどのシステムを選ぶべきかを判断し、提案する役割です。同じ情報を見ても、どの選択肢を推すかはコンサルタント個人の経験と判断に大きく左右されます。判断・責任92点という数字は、この「選ぶ責任」の重さを表しています。
経営コンサルタントに至っては判断・責任99点と、449職業の中でもほぼ最高水準です。企業の経営そのものに関わる提案は、間違えれば会社の存続に関わることもあります。だからこそ、AIがどれだけ優れた分析を出してきても、それを採用するかどうかの最終判断は、責任を負う人間の仕事として残り続けます。
たとえば、同じ市場データを見ても「新規事業に踏み切るべきか」「既存事業を強化すべきか」という提案は、コンサルタントごとに変わります。どちらが正しいかを事前に断言できる正解はなく、業界の文脈やクライアント企業の体力、経営陣の意向まで踏まえて判断する必要があります。この「唯一の正解がない中で決める」という作業こそが、449職業の中でも判断・責任のスコアを押し上げている正体です。
正直に言うと、僕自身が考える良いプロンプトと悪いプロンプトの違いは、方向性を誰が決めているかだと思っています。悪いプロンプトは条件提示もなくAIに丸投げするもので、良いプロンプトは自分が置かれた状況や目的を入力し、ある程度の方向性は人間が決めているものです。コンサルタントの仕事もまったく同じで、AIに丸投げした提案書は、責任の所在があいまいなまま形だけ整った資料になってしまいます。
これから伸ばすべきこと
結論から言うと、伸ばすべきは情報整理をAIに任せること、判断の根拠を言語化する力、専門領域を絞ることの3つです。
3つとも、AIの進化に振り回されない土台です。特に①は、今の案件で少しずつ実践できます。次の提案資料で、情報収集の工程をどこまでAIに任せられるか試してみるだけでも、使える時間の配分は変わってきます。
特に②は見落とされがちです。提案の結論だけを覚えていても、なぜその結論に至ったのかを説明できなければ、クライアントの信頼にはつながりません。日頃から「なぜこの選択肢を選んだか」をメモに残しておくだけでも、いざというときの説得力が変わってきます。
今の市場価値を、まず無料で確かめる
結論から言うと、不安なまま抱え込むより先に、無料の相談で自分の市場価値を確かめるほうが早いです。転職や独立をいますぐ決める必要はありません。
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コンサル特化の転職支援は一般の転職エージェントと違い、業界知識・専門領域・意思決定の経験といった、判断・責任の伴う実績を踏まえて求人を探してくれるのが特徴です。今の職場としか比較したことがない人ほど、外の相場を知ることで見え方が変わります。
特に、情報整理や分析業務が中心でまだ提案の意思決定に関わる機会が少ない人ほど、判断・責任の経験を積めるポジションへの転職で、市場価値がどう変わるかを知っておく価値があります。無料相談で聞かれることは、だいたい共通しています。今の業務内容、経験年数、希望する働き方の3点です。身構えずに、いまの状況をそのまま話せば十分だと思います。
コンサル業界は同じ「コンサルタント」という肩書きでも、事業会社の社内コンサルから外資系ファーム、DX特化のブティック型まで働き方の幅が広い業界でもあります。今の環境が自分の判断・責任を伸ばせる場になっているかどうか、一度棚卸ししてみる価値はあると思います。
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よくある質問(FAQ)
Q. コンサルタントの仕事はAIでなくなりますか?
A. 449職業の中でAI代替度はITコンサルタント190位・経営コンサルタント355位と中位です。情報整理や資料作成にあたる部分はAIに渡しやすい一方、判断・責任にあたる意思決定は449職業の中でもトップクラスに高く、はっきり残ります。仕事の中身が変わる、というのが正確な言い方です。
Q. 190位・355位という順位はどう捉えればいいですか?
A. 449職業のほぼ中央からやや下位にあたり、これまでのAI代替シリーズで扱った他の職業と比べても極端な結果ではありません。ただし情報・数理が高いのに順位が中位にとどまっているのは、判断・責任の高さが効いているためです。極端な順位よりも内訳を見る方が実態がわかります。
Q. なぜ情報・数理が高いのに、AI代替度は中位止まりなのですか?
A. 判断・責任が92・99と449職業の中でもトップクラスに高いためです。情報を集めて整理する部分はAIに渡せても、「その情報から何を提案し、責任を負うか」という部分がAI代替度を押し下げています。
Q. コンサルタントの仕事でAIに任せていい部分はどこですか?
A. 市場調査、競合比較表の作成、業界動向のレポート化など、情報・数理にあたる作業はAIに任せやすい部分です。提案の意思決定や、その根拠をクライアントに説明する部分は人が持っておくべき役割です。
Q. コンサルタントからの転職でAIスキルは有利になりますか?
A. AIで情報整理を効率化した実績を言葉にできれば、判断・責任のポジションへのアピール材料になります。実際にどんなツールでどう効率化したかを具体的に話せると、より説得力が増します。コンサル特化の転職エージェントの無料相談で、今の市場価値を聞いてみる方法があります。
Q. この449職業ランキングの数字はどのくらい信用できますか?
A. 元データは厚生労働省の職業情報データベース(job tag)で、出典が公的な点は信頼できます。ただし1職業あたり約20〜69人の自己申告調査であり、精密な客観測定ではありません。だからこそ本記事も確率は出さず、449職業内での相対的な順位だけを示しています。同じ「コンサルタント」でも専門領域によって内訳が変わりうる点も踏まえて読んでください。
まとめ:情報整理はAIに、意思決定の責任は人に
ITコンサルタントは449職業中190位、経営コンサルタントは355位。449職業のほぼ中央からやや下位という結果でしたが、内訳を見ると情報・数理にあたる分析・資料作成はAIに渡せる一方、判断・責任にあたる意思決定ははっきり残ります。伸ばすべきは、この判断の根拠を言語化する力です。
8回のシリーズを通して見えてきたのは、AI代替度の順位だけでは何もわからない、ということです。情報・数理が高くても、判断・責任がそれ以上に高ければ、順位は中位に落ち着く。コンサルタントはその組み合わせがもっとも際立った職業でした。数字を怖がるのではなく、自分の仕事の内訳を分解してみることが、一番の対策だと思います。
まずは自分の職業の順位を449職業ランキングで確認して、それから無料相談で市場価値を確かめてみてください。判断・責任という自分の強みに、あらためて目を向けるきっかけになるはずです。よいしょっと、次の一歩を踏み出してみてください。


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