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「事務の仕事はAIに一番早く奪われる」。そんな話を聞いたことがある人は多いと思います。データ入力や書類作成のような定型作業が多い分、なんとなく不安になりますよね。
結論から言うと、AI代替シリーズ第6回は一般事務と経理事務です。厚生労働省の職業データベースを使って449職業のAI代替度を集計したところ、一般事務は449職業中7位、経理事務は22位でした。ここまでのシリーズでも最上位クラスの結果です。ただし数字の中身を見ると、同じ「事務」でも一般事務と経理事務ではAIとの向き合い方がまったく違います。今日はその内訳を具体的に見ていきます。
⏱ 先に結論
- 一般事務は449職業中7位、経理事務は22位。どちらもAI代替度90超で、シリーズの中でも最上位
- 定型反復は98と83でどちらも高いが、判断責任は10と79でまったく違う。「入力する人」と「数字の意味を判断する人」の差がそのまま出ている
- 不安なだけなら、まず自分の市場価値を無料で確かめる。申し込みが前提ではない
※出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)/職業情報データベース ver.6.01.01。確率ではなく449職業内の相対順位です。
本記事の数字は、職業情報データベース(job tag)の自己申告調査を集計したものです。1職業あたり約20〜69人の回答が元になっており、客観的な精密測定ではありません。そのため「◯%の確率でなくなる」という言い方はできず、本記事では449職業内での相対的な順位だけを扱います。特定の職業がなくなると断定するものでもありません。
一般事務・経理事務は449職業中7位・22位。この数字が測っているもの
結論から言うと、一般事務のAI代替度は449職業中7位、経理事務は22位でした。これまでのシリーズ(税理士・公認会計士32位/39位・薬剤師55位・Webデザイナー23位・プログラマー9位・施工管理305位/330位)と比べても、一般事務の7位はシリーズ最高位クラスに入ります。
この数字の元になっているのは、厚生労働省が運営する職業情報データベース(job tag ver.6.01.01)です。仕事の内容・仕事の状況・スキル・知識にまたがる149項目を、その職業に就いている人が自己申告した回答から算出しています。定型反復・情報数理・対人交渉・身体技能・判断責任という5つの軸に落とし込む方法は、これまでの記事と同じです。
一般事務・経理事務で特徴的なのは、一般事務が「ルーティン型」(定型反復98)、経理事務が「情報処理型」(情報数理86)に分類される点です。タイプは違いますが、どちらも決まった作業を正確にこなす部分が土台にあります。ただし判断・責任の数字は一般事務10・経理事務79と、449職業の中でも屈指の差があります。次の章から、その中身を具体的に見ていきます。
ちなみに自分の職業のAI代替度が気になった方は、AI仕事診断で今すぐ確認できます。449職業全部の順位はAIに代替されやすい職業ランキングにまとめてあります。
5軸で見る「渡せる部分」と「残る部分」
結論から言うと、一般事務・経理事務は「定型反復」がどちらも高い一方、「判断・責任」だけがまったく違います。
| 軸 | 一般事務 | 経理事務 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 🔁 定型反復 | 98 | 83 | 449職業の中でもトップクラス。決まった手順の作業が仕事の中心 |
| 📊 情報・数理 | 79 | 86 | 449職業の上位。数字・書類を扱う仕事の中心 |
| 🤝 対人・交渉 | 41 | 31 | 449職業の中では中位〜低め。社内のやり取りはあるが対外交渉は少ない |
| 🔧 身体・技能 | 36 | 24 | 低め。手や体を直接使う工程は少ない |
| ⚖️ 判断・責任 | 10 | 79 | 449職業の中でも最大級の差。一般事務は最下位クラス、経理事務はトップクラスに高い |
※各軸は149項目をz化・合成し、449職業内でパーセンタイル化した値です(0〜100)。
注目してほしいのは、判断・責任が10対79という、これまでのシリーズの中でも最大級の差になっている点です。同じ「事務」というくくりでも、決められた手順どおりに処理する役割と、数字の意味を読み取って判断する役割とでは、449職業の中での位置がまったく違います。次の章から、この違いを中心に見ていきます。
定型反復98/83が示す「AIに渡せる部分」の中身
結論から言うと、定型反復98・83点の中身は「決まったフォーマットに、決まった手順でデータを入れる」という作業です。
たとえば、伝票や請求書の内容をシステムに転記する作業。勤怠データを集計してExcelに反映する作業。決まったテンプレートで議事録や社内文書を作成する作業。どれも「同じ手順を毎回正確に繰り返す」という点で共通していて、生成AIやRPA(業務自動化ツール)がいちばん得意とする領域とそのまま重なります。
正直に言うと、僕自身も副業の確定申告はfreeeでぽちぽち入力するだけで終わらせています。項目に沿って数字を入れていけば申告書ができあがる、あの感覚こそが定型反復の正体です。入力そのものに頭を使う場面は、実はそれほど多くありません。
逆に言うと、入力作業を効率化するだけなら、すでに世の中にツールは揃っています。ここで止まってしまうと、AIに置き換わる部分だけが仕事として残ってしまいます。次の章で見る「判断・責任」の部分に、どれだけ関われるかが分かれ目になります。
判断責任10と79。一般事務と経理事務の違い
結論から言うと、判断・責任が10対79とここまで開くのは、一般事務が「指示されたとおりに処理する」役割であるのに対し、経理事務は「数字の意味を判断し、結果に責任を持つ」役割だからです。
一般事務の仕事は、多くの場合すでに決まったルールに沿って書類を作る・データを入力することが中心です。もちろん段取りの工夫はありますが、「この経費は計上していいか」「この処理で法的に問題ないか」という判断は、上司や専門部署が担うことが多く、この構造がそのまま判断・責任10点という低さに表れています。シリーズの中でもプログラマーの20点よりさらに低く、449職業の中でも最下位クラスです。
一方、経理事務は「経費の計上」「所得区分の判定」「控除の活用」といった、ルールを数字にあてはめて解釈する場面が格段に多い仕事です。判断・責任79点という数字は、449職業の中でもトップクラスに位置します。同じ「決まった手順で処理する」仕事に見えても、その先に判断が伴うかどうかで、AIとの向き合い方はまったく違ってくるということです。
たとえば、AIが「この仕訳はこのカテゴリに分類できます」という提案を出してきたとします。ここで終わってしまう人と、その経費が本当に妥当か・税務上どう扱うべきかまで踏み込んで判断する人とでは、まったく別の仕事をしていることになります。AIの提案はあくまで材料で、それを引き受けて決める作業が残ります。
対人交渉41・31の低さが示すもの
結論から言うと、対人・交渉が41・31と中位〜低めなのは、一般事務・経理事務の仕事の多くが、社内のやり取りはあっても対外的な交渉場面は少ないことを示しています。
特に経理事務の31点は、449職業の中でも低めの部類です。数字と向き合う時間が長く、取引先との折衝よりも社内での確認作業が中心という、いわゆる「事務らしさ」がそのまま数字に出ています。ただしこれは弱みというより、対人・交渉力を伸ばせば伸ばすほど、そのまま経営に近いポジションへの足がかりになるという意味でもあります。
僕自身、「AIは人間の仕事を奪う」という意見については、完全に人間の仕事はなくならないと思う一方で、単純な事務仕事はかなりの部分AIに取られると考えています。結局AIに使われるのではなく、AIを使いこなしたうえで、コミュニケーション力のような人間としての価値がある人がAI時代も仕事を奪われないと思っています。事務職の場合、その「人間としての価値」がそのまま対人・交渉のスコアに重なります。
実際、入力や集計の正確さだけで評価されるフェーズを抜けて、他部署からの相談窓口になったり、経営層に数字の意味を説明したりする役割まで担えると、449職業の中での立ち位置は大きく変わってきます。数字を「処理する」だけでなく「説明できる」ようになることが、これからの差別化につながるはずです。
たとえば経費精算の窓口をしていると、申請ルールを知らない社員から質問が飛んでくることがあります。ここで「規定なので」と突き返すだけの対応と、その社員の状況を踏まえて代替案まで提示できる対応とでは、社内での見え方がまったく違います。対人・交渉のスコアが低い職種だからこそ、少し意識するだけで周囲との差がつきやすい部分でもあります。
これから伸ばすべきこと
結論から言うと、伸ばすべきは数字を説明する力、AIを使う側に回ること、専門性を資格で証明することの3つです。
3つとも、AIの進化に振り回されない土台です。特に①は、今の職場で少しずつ実践できます。次の月次報告で、数字の背景まで一言添えて共有する。それだけで、判断・責任の経験値が積み上がっていきます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 一般事務・経理事務の仕事はAIでなくなりますか?
A. 449職業の中でAI代替度は一般事務7位・経理事務22位と上位ですが、なくなるとは断定できません。定型反復にあたる入力・集計作業はAIに渡しやすい一方、判断・責任にあたる意思決定やチェックは残ります。仕事の中身が変わる、というのが正確な言い方だと思います。
Q. AI代替度が90を超えているのは危険信号ですか?
A. 449職業の中で7位・22位ですから、上位1割以内に入ります。ただしこれは順位であって「90%の確率でなくなる」という意味ではありません。同じ上位でも判断・責任の内訳次第で、渡せる部分と残る部分はまったく違います。
Q. 一般事務と経理事務で、なぜここまで判断・責任のスコアが違うのですか?
A. 一般事務は決められたルールに沿って処理する役割が中心で、経理事務は経費の計上や所得区分の判定など、数字の意味を解釈して結果に責任を持つ場面が多いためです。判断が伴う業務に近いほど、判断・責任のスコアが高くなる傾向があります。
Q. 一般事務の仕事でAIに任せていい部分はどこですか?
A. 伝票の転記、勤怠集計、決まったフォーマットの文書作成など、定型反復にあたる作業はAIに任せやすい部分です。内容のチェックや、イレギュラー対応といった責任を伴う工程は人が持っておくべき役割です。
Q. 事務職からの転職でAIスキルは有利になりますか?
A. AIを使う側に回った実績を言葉にできれば、判断・責任の証明として強みになります。バックオフィス特化の転職エージェントの無料面談で、今の市場価値を聞いてみる方法があります。
Q. この449職業ランキングの数字はどのくらい信用できますか?
A. 元データは厚生労働省の職業情報データベース(job tag)で、出典が公的な点は信頼できます。ただし1職業あたり約20〜69人の自己申告調査であり、精密な客観測定ではありません。だからこそ本記事も確率は出さず、449職業内での相対的な順位だけを示しています。
まとめ:同じ「事務」でも、判断が伴うかどうかで残る部分は変わる
一般事務は449職業中7位、経理事務は22位。どちらもAI代替度90を超える上位で、シリーズの中でも最上位クラスです。ただし内訳を見ると、定型反復にあたる入力・集計作業はAIに渡せる一方、判断・責任にあたる意思決定やチェックははっきり残ります。伸ばすべきは、この判断を引き受ける力と、数字を説明する力です。
6回のシリーズを通して見えてきたのは、AI代替度の順位だけでは何もわからない、ということです。同じ事務職でも、一般事務は判断・責任が449職業の中でも最下位クラス、経理事務はトップクラスと、まったく違う形をしていました。数字を怖がるのではなく、自分の仕事の内訳を分解してみることが、一番の対策だと思います。
まずは自分の職業の順位を449職業ランキングで確認して、それから無料面談で市場価値を確かめてみてください。よいしょっと、次の一歩を踏み出してみてください。
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