「投資って、お金持ちの家に生まれた人がやるものでしょ?」——昔の僕は、本気でそう思っていました。
僕は特別な家に生まれたわけでも、まとまった元手があったわけでもありません。スタートは、高校時代にコツコツ貯めたお年玉、30万円だけ。それでも高校2年で投資に出会ってから約6年、22歳のとき(2025年12月)に総資産1000万円に到達しました。
ただ、ここまでの道のりは決して順風満帆ではありません。正直に書きます。僕は途中で、71万円を一日で溶かしています。狼狽売りという、投資でいちばんやってはいけない失敗です。
この記事は、ノウハウのまとめではありません(具体的なやり方は、各専門記事にリンクします)。高校生だった僕が、何を考え、何に迷い、何を失敗して、どう資産を築いてきたか。その時系列の物語です。同世代の人や、これから始める人の「自分にもできるかも」のきっかけになればうれしいです。
本記事は筆者の個人的な体験・見解に基づくものです。投資は元本割れのリスクがあり、利益を保証するものではありません。投資は必ず自己責任で行ってください。
投資家になるまでの歩み
| 高校2年 | 『インベスターZ』に出会い、投資に目覚める |
| 高校3年 | お年玉30万円で日本株デビュー+ジュニアNISA |
| 大学3年 | 全財産30万円をビットコインへ → 100万円に |
| 2024年8月 | ブラックマンデーで71万円の損失。運用方針を転換 |
| 22歳 | 総資産1000万円を達成(2025年12月) |
| 30歳(目標) | サイドFIRE「FREEEEEEEEEEDOM」 |
はじまりは高校2年、1冊の漫画だった
すべての始まりは、高校2年の政治経済の授業でした。
円安と円高を説明する流れで、先生がふと『インベスターZ』という漫画を紹介したんです。投資をテーマにした、あの作品です。授業の内容そのものはうろ覚えなのに、なぜかその漫画のタイトルだけは妙に頭に残りました。
家に帰って読んでみたら、一気に引き込まれました。お金は働かせることができる。世界の政治や経済の動きが、自分のお金とつながっている。それまで考えたこともなかった世界が、目の前にバッと広がった感覚でした。学校の勉強では一度も感じたことのない種類のワクワクで、「これは自分にも関係がある話だ」と直感したのを覚えています。
いま振り返ると、この「1冊の漫画」が人生のターニングポイントでした。きっかけなんて、案外こんなものです。大事なのは、興味を持った瞬間に「で、自分はどうする?」と一歩を進められるかどうか。多くの人は「へえ」で終わってしまう。僕はたまたま、そこで動いてしまった。それだけの違いだったと思います。
お年玉30万円で株を買った、高校3年の春
興味を持っても、高校生にはお金がありません。当時はアルバイトもしていなかったので、自由に使えるお金は、これまで貯めてきたお年玉の約30万円だけでした。
普通なら、ここで「お金がないから無理」と止まります。でも僕は「自分のお金で、実際に株を買ってみたい」という気持ちのほうが勝ってしまった。頭で理解するだけの投資ではなく、自分の口座でお金が動くのを体験したかったんです。
そして高校3年のとき、株主優待を目的に、初めて日本株を買いました。最初から値上がり益を狙ったわけではありません。「株を持っていると優待がもらえる」という、目に見えてわかりやすいリターンが、当時の自分にはちょうどよかった。投資のハードルを自分で下げにいった、という感覚です。
同じころ、ジュニアNISAも始めました。ここで選んだのは、値動きの激しい個別株ではなく、安定したインデックスの投資信託でした。いきなり攻めるのではなく、まずは「市場にお金を置いておく」ことから始めた。いま思えば、この最初の入り方は悪くなかったと思います。
そして何より大きかったのは、早く始めたという事実そのものです。投資の世界では、時間が最大の武器になります。複利は、長く続けるほど効いてくる。20代どころか高校生から市場にいたことは、金額以上に「時間」という資産を先取りできた、という意味で効いてきました。
全財産をビットコインに入れた、大学3年の夜
物語が大きく動くのは、2023年8月30日。大学3年の、ある一日のことでした。
その日のことは、不思議なくらいはっきり覚えています。昼に、大学近くで借りていた一人暮らしの部屋の退去手続きを終えたばかりでした。そしてその夜には、所属していた軽音サークルの夏合宿に出発する予定。気持ちとしては、一区切りついて、少し開放的になっていた時期です。
夕方からの買い出しまで2時間ほど待ち時間があって、サークルの溜まり場だった音楽スタジオで、ただスマホをいじっていました。何をするでもなく、Instagramをぼんやり眺めていた。そこに流れてきたのが、コインチェックの「500円からビットコインが買える」という広告でした。
ビットコインには前から興味がありました。高校時代に一度気になって、結局買わなかった経緯もあった。その「買わなかった後悔」が、頭の片隅にずっと残っていたんだと思います。引っ越しも終えて、気が大きくなっていたのもあるでしょう。「もう実家にも帰るし、全財産入れてもいっか」——本当に、それくらいのノリでした。
全財産を投じた「あの夜」の流れ
その場で口座を開設し、当時の全財産だった30万円を、まるごとビットコインに入れました。
冷静に考えれば無謀です。生活防衛資金も何もあったものじゃない。いまの僕なら、同じことはしません。それでも——この一歩がなければ、今の僕はいない。人生って、計算しきった一歩より、勢いで踏み出した一歩のほうが、案外あとから効いてくることがあるんだと思います。
30万が100万に。そして、71万円を溶かした日
ビットコイン投資の振れ幅(実体験)
※イメージ図。金額は実体験に基づく概算で、正確な資産推移を示すものではありません。
放置していた30万円は、2024年2月の暴騰で、約100万円になりました。
正直、舞い上がりました。何もしていないのに、お金が3倍以上になっている。「自分には投資の才能があるんじゃないか」とすら思いました。お金に対する考え方が大きく変わったのも、まさにこのタイミングです。お金は、自分で考えて動かせば増えていくものなんだ、と体で理解した。この成功体験が、僕を「投資家」と名乗れる自分にしてくれたのは間違いありません。
でも、相場はそんなに甘くありませんでした。
2024年8月のブラックマンデー。株もビットコインも、一斉に大暴落しました。あれほど膨らんでいた含み益が、画面の中でみるみる溶けていく。数字がどんどん赤くなっていくのを見ているうちに、僕は完全に冷静さを失いました。そして、投資でいちばんやってはいけないこと——底値での狼狽売りをしてしまったんです。「これ以上減るのが怖い」という、ただそれだけの理由で。
結果、合計71万円の損失。しかも最悪なことに、僕が売った直後、相場はあっさり反発しました。あのまま何もせず持っていれば、損失どころかプラスで戻ってきていた。自分の弱さが、そのまま71万円という数字になって突きつけられた。あの日、ビールを片手に呆然としていたことは、今でも忘れられません。
人生でいちばん高い授業料でした。でも、今振り返ると、この失敗があったからこそ次に進めた、とも思います。
失敗から決めた「3つのルール」
71万円を失って、僕の投資は明確に変わりました。痛みから学んだルールは、3つです。
71万円の損失で変わった投資スタイル
・暴落で慌てて狼狽売り
・一つの銘柄に集中投資
・感情で売買を判断
・中長期で持ち続ける
・複数資産に分散する
・ルールで淡々と判断
ルール1:根拠のない狼狽売りは、もうしない
これがいちばん大きい。暴落したときに慌てて売るのは、最悪のタイミングで損を確定させる行為です。あの日の僕がまさにそれでした。だから今は、暴落は「売り」の合図ではなく、むしろ「買い」の場面だと考えるようにしています。みんなが怖がって投げ売りしているときこそ、安く買えるチャンスでもある。考え方を180度変えました。
ルール2:短期で売買せず、中長期で持ち続ける
値動きを毎日追いかけて売り買いするスタイルを、きっぱりやめました。短期トレードは、結局その日の感情に左右されてしまう。だから、いいと思ったものを買って、長く持ち続ける運用に切り替えました。腰を据えて持てるものだけを買う、という方針です。
ルール3:資産を分散する
一つの通貨や銘柄に全財産を入れる——まさに大学3年のときの僕です——のは、当たれば大きいけれど、外れたときのダメージも大きい。だから今は、複数の資産に分けて持つようにしています。
この反省を象徴する失敗が、もう一つあります。メタプラネットという銘柄です。いい調子で上がっていたので飛びついたのですが、ビットコインの下落とともに大きく下がってしまった。下がったところで買い増したものの、さらに下げて含み損が膨らみました。ちゃんと銘柄を分析せず、勢いだけで買ってしまった結果です。「よく分からないものに、雰囲気で乗らない」。これも71万円とメタプラネットが教えてくれた教訓でした。
ルールを決めてからは、運用の柱として、インデックスファンドを淡々と積み立てる「守りの軸」を作りました。今のつみたては、eMAXIS Slimの全世界株式(オルカン)やS&P500が中心です。値動きに一喜一憂せず、ほったらかしで続けられる。派手さはないけれど、これが土台として効いてきます。
「守り」と「攻め」を分ける考え方
値動きに動じず、長期で積み立てる。
余剰資金の範囲で、大きなリターンを狙う。
守りで土台を固めるからこそ、一部で大きく攻められる。
投資の燃料は「入金力」。だから副業も始めた
投資を続けるうちに、ある当たり前のことに気づきました。投資の成果は、結局「入金力」で決まる、ということです。
どれだけ良い銘柄を選んでも、投資に回せる元手が小さければ、増えるスピードには限界があります。年利の数字をいくら追いかけても、元本が小さければ増える額は小さい。それなら、投資の腕を磨くのと同じくらい、入金できる額そのものを増やすべきだ——そう考えるようになりました。
加えて、本業の収入だけに頼るのは、それ自体がリスクだとも感じていました。会社の給料という収入源が一本しかない状態は、何かあったときに一気に崩れる。だから僕は、投資と並行して副業を始めました。
最初の副業は、ココナラでのWebマーケティング支援でした。記念すべき初収入は、たったの1500円。金額だけ見れば、コンビニのアルバイト数時間分にも満たない。でもこのとき、お金の額よりも「これを仕組み化すれば、もっと広げられる」という手応えのほうが大きかった。自分の時間を直接売るアルバイトとは違う、スキルを売る稼ぎ方の入口に立てた感覚です。
その直感は当たって、副業の累計収益は50万円を超えました。そして稼いだお金は、ほぼそのまま投資の入金力に回しています。副業で増やす、投資で増やす。この二つのエンジンが回り始めてから、資産の伸び方が変わりました。
資産が増える「2つのエンジン」
本業+副業で「入金力」を上げ、投資で増やす。この循環が回ると伸び方が変わる。
最近は、AIをフル活用して副業の効率を一気に上げています。AIライティング、コンテンツ販売、動画編集。昔なら何人かでやっていたような作業を、AIを使えば一人でも回せる時代です。むしろ今は、AIを使いこなせるかどうかで、稼げる量に差がつくと本気で思っています。
22歳、総資産1000万円に到達して気づいたこと
仮想通貨のトレード、金(ゴールド)の積立、インデックスファンド、そして成長分野の米国株。これらを組み合わせて運用してきた結果、22歳のとき(2025年12月25日時点)、総資産は1000万円に達しました。
今のポートフォリオは、ざっくり金が2割、仮想通貨が4割、日本株が1割、米国株が3割という配分です。考え方はシンプルで、守りと攻めを分けています。
よいしょ先生のポートフォリオ(資産配分)
- 仮想通貨 40%
- 米国株 30%
- 金(ゴールド) 20%
- 日本株 10%
守り(金・日本株・米国株)と攻め(仮想通貨・成長株)を分けた配分。2025年12月時点。
守りの中心は、金です。金は現物で持っています。人類が増え続ける限り、長期的には価値が上がっていく資産だと考えているからです。派手さはないけれど、超安全資産として2割は持っておきたい。残りは比較的安定した日本株と米国株で固める。ここまでで全体の半分です。
そして攻めの部分。残りの仮想通貨と一部の米国株では、思いきりリスクを取っています。米国株では、量子コンピュータ・宇宙・半導体といった、これから数十倍、数百倍を狙えると考えている成長分野に投資しています。当然、外れることもある。でも、守りでしっかり土台を固めているからこそ、一部で大きく攻められる。このバランスが、自分には合っていました。
ただ、1000万円に到達して、いちばん強く感じたのは、意外なことでした。金額そのものより、「お金が増える仕組みを自分で作れた」ことのほうが、ずっと大きかったんです。
正直に言うと、1000万円を達成しても、周りとの関係は何も変わりませんでした。急に生活が派手になることもないし、誰かに自慢したいわけでもない。生活水準は今もほぼ一定で、家賃も自分が耐えられる範囲で、住んでいる地域の平均より月3万円ほど安いところに住んでいます。贅沢するのは、たまの旅行くらい。変わったのは、ただ一つ。「自分は、自分の力でお金を増やしていける」という、静かな自信だけでした。この自信こそが、1000万円という数字より価値があったと思っています。
次の目標は、30歳でサイドFIRE
いまの僕は23歳。会社員として働きながら、投資家として、そして副業家として動いています。次の目標ははっきりしています。30歳でサイドFIREです。
サイドFIREは、完全に仕事を辞めるFIREとは違います。僕は、仕事そのものは好きだし、何もせず生きるのは、たぶん性に合わない。だから完全リタイアは目指していません。僕が本当に欲しいのは、お金の自由そのものというより、その先にある「時間の自由」です。
完全FIRE と サイドFIRE の違い
・必要資産が大きい
・収入は資産運用のみ
・必要資産は比較的小さい
・運用益+労働収入の二刀流
僕が目指すのは「時間と場所に縛られず、好きな仕事だけする」サイドFIRE。
価値は「時間>お金」だと思っています。お金はあとから増やせるけれど、時間だけは誰にも増やせない。お金があっても、時間に縛られていたら自由とは言えない。好きなときに、好きな場所で、好きな仕事だけをする。旅行に行きたいと思ったら、その日に行ける。そういう生き方をするための土台を、20代のうちに作っておきたいんです。
そのために今は、とにかく動ける限り動いています。朝5時に起きてランニングして、早朝から出社して、夜まで働く。週7で動いている時期もあります。タフさだけは自分の強みだと思っているので、自由を手に入れるための時間として、この20代を全力で使っているところです。
「世界で一番自由な人間になりたい」——これは半分冗談、半分本気の、僕の口ぐせです。30歳の自分が、どんな景色を見ているのか。それを確かめたくて、今日もコツコツ続けています。
これから始めるあなたへ
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
あらためて振り返ると、僕の物語に、特別な才能やラッキーはありません。あったのは、高校生のときに興味を持って、とりあえず一歩を踏み出したこと。そして、71万円を溶かすような失敗もしながら、それでも途中でやめずに続けてきたこと。本当に、それだけです。
才能の話をすると、人は何かしらの得意分野を必ず持っていると思っています。それを早く見つけて、伸ばせるかどうか。僕の場合は、たまたまお金や仕組みを考えるのが好きだった。あなたにも、きっと何かある。それを「お金」という分野で試してみるのも、一つの選択肢だと思います。
投資でいちばんもったいないのは、「迷っているうちに時間が過ぎること」です。時間は、お金よりも取り戻せない、最大の資産。少額でいい。失敗してもいい。完璧な準備が整うのを待つより、まずは自分のペースで、小さく始めてみてください。動き出してから分かることのほうが、ずっと多いですから。
あなたの人生に、よいしょっと一歩を踏み出すきっかけを。この記事がその背中を、ほんの少しでも押せたなら、これ以上うれしいことはありません。
最終更新日:2026年6月6日


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